ドルコスト平均法は愚の骨頂なのか?
投資についての考え方の知識を得ようとある本を読んでいたら
こういう記述があった。
「金融機関が大絶賛「ドルコスト平均法」は愚の骨頂」
・安いときに買って高いときに売るのが投資の基本。
高かろうが安かろうが毎月、定額を購入するドルコスト平均法はマヌケ。
・何度も分散して購入すると手数料がかさばる。これは売る側に都合のいい理屈。
とのこと。
この本は恣意的に危険な事象を引用し、不安を煽る記述が多かったので
信用ならんなあ、と個人的に感じていたのですが
この部分についてはドルコスト平均法が「よい」と思っていた私のなかに
疑問を生んだ。
「たしかに毎月コンスタントに購入するにしても、
少なくとも前の月より価格が上がっていればあえて買う必要はないのではないか?
この人の言うことにも一理あるのではないか?」
と思い、いろいろ検索したがちょうどいい検証がなかったので
休みの日にエクセルで検証することにした。
ちなみに私は金融のプロでもないし、エクセルに長けているでもないの
参考は自己責任で。
検証手順
1.対象は運用期間が長いインデックス型投信とアクティブ国内株式
国内債券:三井住友・日本債券インデックス・ファンド (2002-)
海外株式:野村 外国株式インデックスファンド (2002-)
海外債券:三井住友・DC外国債券インデックス (2002-)
バランス:ダイワ・ライフ・バランス50 (2005-)
国内株式(アクティブ):ひふみプラス (2012-)
2.以下の3つのパターンで月ごとに積立する。
i )前月より下がった時のみ購入
ii )毎月常に購入
iii)前月より下がった時のみ購入。
ただし値下がりした月にはそれまで購入を見送った金額分も
加算して購入する
以上の条件で投資し、投資総額と2018年10月に売却した価格の
比率(騰落率)を整理してみた。
(青は優位、赤は劣位、白は中間)
投資開始時期や売却時期、投資期間によって結果は変わるだろうけど
大きな傾向としては
・「下がった時に上がった分も購入」では不利になりやすい。
・「下がった時のみ購入」がわずかに優位
・ただし「下がった時のみ購入」では、投資総額が読めない
(「常に投資」より全てのファンドで投資総額が半額以下となった)
・著しい違いは見受けられない。購入や売却タイミング、保持期間などで差は埋まるように思える(未検証)
以下「バランス型」のグラフ。
(他もほぼ同じ形状になった)
縦軸は運用金額
横軸は時間
青線が半分以下なのは、前月と比べ価額が上がった時には購入を見送るため。
限られた検討での結論としては
相場は先が読めないので、毎月判断不要で自動的に買い付けることができ、
投資資金が無駄になることのない「常に投資」が無難。
と私の中では落ち着きました。
もちろんドルコスト平均法は完璧ではないですが「愚の骨頂」とまで
言い切るにはなにかしらの根拠が欲しかったですね。
手数料に関してはノーロード商品を買えば問題ないですし。
ちなみに元になっていたのはこの本。
内容について反論を考えることでこちらの勉強になるという
(反面)教師本だとおもいます。